【2014年5月】
安保徹(新潟大学医学部名誉教授)
「体温と免疫力」
自律神経が乱れる現代人
自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経が緊張すると、脈が速くなったり、血圧が高くなったりします。一方、副交感神経が優位になると、人はリラックスできるのです。
日中、活動しているときは交感神経が、夕方からは副交感神経が働きます。交感神経が働くことによって脈が速くなり血圧が高くなることで筋肉に血液が送られ、元気に働けるわけです。
ところが、一日中忙しくしている人がいます。すると夕方以降も交感神経が緊張したままで、夜になっても眠れません。
この他、交感神経を緊張させる要因に悩みがあります。いくら悩んでも物事はなかなか解決はしません。それならあまり悩まないことです。
寒さは血管を収縮させる。つまり交感神経を緊張させます。
昔は暖房が十分ではなく、室内は寒く、それが原因で冬は脳卒中になる人がたくさんいました。今は夏の冷房が問題です。それによって体を冷やす人が増えています。
日中、活動しているときは交感神経が、夕方からは副交感神経が働きます。交感神経が働くことによって脈が速くなり血圧が高くなることで筋肉に血液が送られ、元気に働けるわけです。
ところが、一日中忙しくしている人がいます。すると夕方以降も交感神経が緊張したままで、夜になっても眠れません。
この他、交感神経を緊張させる要因に悩みがあります。いくら悩んでも物事はなかなか解決はしません。それならあまり悩まないことです。
寒さは血管を収縮させる。つまり交感神経を緊張させます。
昔は暖房が十分ではなく、室内は寒く、それが原因で冬は脳卒中になる人がたくさんいました。今は夏の冷房が問題です。それによって体を冷やす人が増えています。
病んでるいる子どもたち
自律神経のバランスが崩れているのは大人だけではありません。大人とは逆に副交感神経が優位になっている子どもが目立ちます。最近の子どもは外で遊びません。社会が豊かになり、ひもじさがなくなりました。
好きなジュースやお菓子をいつでも飲んで食べられるようになりました。
食べると誰もが幸せに感じます。食べることでストレスを解消している人もいるほどです。
外で遊ばずに部屋でおとなしくしていたり、食べて満足していたりすると、副交感神経が優位になります。これでは元気がでません。最近の子どもたちの集中力が続かないのはそのためです。
また、困難に出合うと諦めてしまいます。何かに立ち向かうには交感神経を優位にしなければなりません。職場で上司に叱られるとすぐに辞めてしまう人や不登校の生徒が増えていることからもわかるでしょう
好きなジュースやお菓子をいつでも飲んで食べられるようになりました。
食べると誰もが幸せに感じます。食べることでストレスを解消している人もいるほどです。
外で遊ばずに部屋でおとなしくしていたり、食べて満足していたりすると、副交感神経が優位になります。これでは元気がでません。最近の子どもたちの集中力が続かないのはそのためです。
また、困難に出合うと諦めてしまいます。何かに立ち向かうには交感神経を優位にしなければなりません。職場で上司に叱られるとすぐに辞めてしまう人や不登校の生徒が増えていることからもわかるでしょう
健康な人の体温は36.5度
自律神経は体温も調節しています。体温は日中は高く、眠ると低くなり、自律神経のバランスのとれている人の体温はおよそ36.5度です。元気な人はそれよりも高いくらいで、限界は37.2度くらいと考えてください。36.0〜37.2度が健康な人の体温で、35.8〜36.0度くらいが下の限界です。
低体温になるとさまざまな病気が起こります。例をあげて説明しましょう。
細胞の中の核酸が代謝されると尿酸が生まれますが、尿酸値が高いだけでは痛風は起きません。低体温によって尿酸が結晶化すると初めて痛風になります。
腰痛に対して一般的に処方されるのが消炎剤です。確かに痛みは止まりますが、血流も止まってしまい、体温も下がります。薬の効果が切れると血液が流れ始め、再び痛みが現れるのです。加えて、薬の興奮作用によって眠れなくなります。
病気が病気を呼んでいるのです。どこかで薬を遮断しなければなりません。
昔なら湯治をしていました。お風呂に入って血流を改善していたのです。
実はガン細胞も低体温を好むことが判明しています。
日本が豊かになってせっかく寿命が伸びたのに、薬などに頼りすぎて病気を悪化させてはつまらない話です。病気の成り立ちを理解し、今日お話ししたことを実践して健康な生活を送ってください。
低体温になるとさまざまな病気が起こります。例をあげて説明しましょう。
細胞の中の核酸が代謝されると尿酸が生まれますが、尿酸値が高いだけでは痛風は起きません。低体温によって尿酸が結晶化すると初めて痛風になります。
腰痛に対して一般的に処方されるのが消炎剤です。確かに痛みは止まりますが、血流も止まってしまい、体温も下がります。薬の効果が切れると血液が流れ始め、再び痛みが現れるのです。加えて、薬の興奮作用によって眠れなくなります。
病気が病気を呼んでいるのです。どこかで薬を遮断しなければなりません。
昔なら湯治をしていました。お風呂に入って血流を改善していたのです。
実はガン細胞も低体温を好むことが判明しています。
日本が豊かになってせっかく寿命が伸びたのに、薬などに頼りすぎて病気を悪化させてはつまらない話です。病気の成り立ちを理解し、今日お話ししたことを実践して健康な生活を送ってください。
安保徹先生 プロフィール
1947年青森県生まれ。
東北大学医学部卒業後、アメリカ・アラバマ大学留学中、『ヒトNK細胞抗原CD57に関するモノクローナル抗体』を作製、胸腺外分化T細胞を発見。
1990年新潟大学医学部教授。
白血球の自律神経支配のメカニズムを解明、胃潰瘍の原因が胃酸であるとの定説を覆して注目され、現在も国際的に活躍している。
『体温免疫力』『病気は自分で治す』など著書多数。
東北大学医学部卒業後、アメリカ・アラバマ大学留学中、『ヒトNK細胞抗原CD57に関するモノクローナル抗体』を作製、胸腺外分化T細胞を発見。
1990年新潟大学医学部教授。
白血球の自律神経支配のメカニズムを解明、胃潰瘍の原因が胃酸であるとの定説を覆して注目され、現在も国際的に活躍している。
『体温免疫力』『病気は自分で治す』など著書多数。